猫の首輪 ビーズのこと
チェコビーズとベネチアンビーズ
私が作る猫の首輪には、ほぼほぼビーズが付いています。
商品説明欄に、ビーズの種類でチェコビーズとかベネチアンビーズとありますね。
実は、私は、この二つのビーズの違いが良くわかりません。
分からないものの代表例がファイヤーポリシュの多面カットと呼ばれるものでしょうか。
これですね。
チェコビーズで有名ですが、ベネチアンビーズのお店でも売られているのです。
あれ??同じみたいだけど。。。。。
ビーズを購入するのは、チェコビーズを扱っているお店、ベネチアンビーズを扱うお店で購入していますのでそれで区別をしているだけで、これらが一緒くたになってしまったら、はてどっち??の状態です。
これでは、いけない!!ということで、この、チェコビーズとベネチアンビーズの違い。そもそもビーズってなんだろうというところから調べてみようと思います。
楽しそうですね!!
ビーズの歴史
ビーズとは
ビーズとは、辞書でしらべたところ、<beads>装飾・手芸などで使う飾り玉とありました。
宝石、ガラス、ウッド、クリスタル、練り物などで、管上、玉状、鞘状、エンボス状、涙形など、さまざまな形に作った小さな玉のことです。
ビーズという言葉の語源は、アングロサクソン語のbiddan(祈る)、bede(祈る人)から変化して呼ばれるようになりました。
歴史
ビーズは、紀元前3000年頃から装飾品として世界中に存在していました。
宝石、貝殻、河真珠、獣骨、角など、自然界の産物を素材としていて、その地域にある素材を使って作られてきたので、地域ごとに独自のデザインや技術が生まれたのでした。
自然素材からビーズを作ってきた時代から時は経ち、古代オリエントでガラスが生まれたことにより、ビーズの世界にもガラスが取り入れられるようになりました。
中世には、ガラスビーズがヨーロッパとアフリカを結び、15世紀の大航海時代には、ヴェネチアやオランダのビーズが、アフリカの天然資源や奴隷確保との引き換えに調達されるようになりました。
このように、ビーズは歴史の中で、通貨や物々交換としても使用されてきました、時には金、そしてまた時には利便性や生存性の為に要する品に交換されてきたのでした。
ベネチアンビーズ
ベネチアンビーズとチェコビーズ。
どうやら歴史はベネチアンビーズの方が古いようです。
ベネチアンビーズとは、イタリア共和国北東部に位置するベネチア地域で伝統的に作られているガラス工芸品のベネチアングラスのビーズのことを指します。(アトリエたいようで扱っているプラスチックのビーズもベネチアンビーズと称しています。
13世紀にはすでにベネチアは、西側世界で最も重要なガラス製造の中心地でありました。
ちなみに、13世紀とは、 チンギス・カン の興した モンゴル帝国 が ユーラシア大陸 の大半を支配したため、 モンゴルの世紀 と呼ばれる。 モンゴル帝国は 交易 を奨励、保護しユーラシア大陸を陸路、海路で結ぶ一大交易網が成立した( シルクロード の発展) ウィキペディアより
日本では、鎌倉時代にあたります。
ベネチア共和国が、東西貿易の中でベネチアンビーズを中近東、アジア、アフリカに輸出して、その見返りに各国の伝統工芸品などを手に入れるようになり、ベネチアにおいて、ビーズ作りは国の繁栄のために欠かせないものとなっていました。
1200年代には、ガラス組合が結成され、ビーズの作り方の知識を秘密にしたり、技術の流出を防ぐために、ガラス工房と職人をムラノ島に強制移住させました。
そして15世紀には、村からの脱出を試みた者は死罪になるという法律までも出来ました。
厳しい管理下の元でガラス製造技術の切磋琢磨が進み、15~16世紀には、その繁栄は頂点に達し、ビーズの製造、輸出のトップを独占し続けました。
1979年のベネチア共和国の崩壊により、職人たちはフランスに送られ、ビーズ産業は衰退してしましましたが、1866年のイタリア共和国の誕生により、ベネチアでのビーズ産業も復活して現在に至ることとなります。
チェコビーズ
中世の時代は、ビーズはベネチアンビーズが栄華を誇っていたことがわかりました。
では、チェコビーズはいつ、どのようにして生まれたのでしょうか。
実は、チェコビーズのはベネチアンビーズがそのルーツにあたるのでした。
チェコにおいて、ガラスの製造は9世紀以前の昔から行われてきたのです。
ビーズの製造が盛んになったきっかけは、ムラノ島で隔離されて製造されていたベネチアンビーズ職人のボヘミアへの移住によるものでした。
ベネチアでガラス職人たちに対して厳しく取り締まっていたにも関わらず、職人たちの流出は避けられないものでありました。
こうして、ベネチアンガラス職人たちがチェコのボヘミア地方に移住してきて、チェコのビーズの歴史が始まったということです。
なるほど
なるほど、ベネチアンビーズとチェコビーズ。この二つのビーズは切っても切れない深いかかわりがあったのですね。
ベネチアンビーズをルーツにもつチェコビーズ。
なので、どちらか区別が良くわからないビーズもあるのですね。
参考文献
ベネチアンビーズ・アクセサリー / ロッテル マウリツィオ著
世界のビーズ文化図鑑 / キャロライン・クラブトゥリー パム・スタールブラス著 福井正子訳
ビーズでたどるホモ・サピエンス史 / 池谷和信著