洋服のあれこれ①
洋服のあれこれ
猫のあれこれを書くならば、洋服のあれこれもないと片手間である。。。。
と、いうことで、洋服についてもわたしの思う色々を書いてみようかと思います。
私は、パターンメーカーなので、パターンのお話がほぼほぼでしょうか。。。。
ドレーピングとパターンメーキング
一つの洋服がこの世に生まれるには、まず、デザイナーの絵型があり、その絵型からパターンメーカーが型紙を作り、そして、その型紙を元に縫製工場が縫製をするという作業があります。
絵型からひとつの製品にするための工程で、なくてはならないものが、パターンです。
パターンをつくるには、ドレーピング(立体裁断)と、パターンメーキング(平面製図)と呼ばれる二つの方法があります。
ドレーピングとは、英語のdrapeの進行形の形です。
drapeとは、辞書で調べてみると、<場所、物、身体を>優美におおう、飾る。<カーテン、衣服などに>優美なひだを付ける。などの意味があります。
恐らくここから発展して、人台の上に布を乗せて、形を創っていく作業をドレーピングと呼ぶようになったのです。
一方、平面製図とは、文字通り平面上で型紙を引くことです。
二つを組み合わせる
立体裁断は、服作りの原点であり、人台に布を乗せてそこから広がる無限の可能性があります。
ただ、この技術を習得するにはとても時間がかかりますし、センスも必要です。
縦糸と横糸で織りなされている生地の糸目を上手に操れないと、望むシルエットは出ないのです。
しかも、同じコットンでも、オックスのようなしっかりした生地と、ローンのような薄い生地ですと、同じパターンでも、同じシルエットにはなりません。
生地の垂れ感が違うからです。
こんな時は、ドレーピングが出来ると実際の生地でシルエットを作るので問題ありませんね。
では、美しいシルエットをつくるのは立体裁断ができなくてはダメで、平面製図ではだめなのかというと、そんなことはないのです。
むしろ、量産体制の洋服作りには、平面製図が適しているともいえます。
なぜなら、ブランドには、各会社独自の規格や、ターゲットとする年齢層のためのシルエットがあります。
それを、何人ものパターンメーカーがそれぞれにドレーピングで同じように企画にあうようにシルエットを作ることは、非常に難しいことです。
恐らく、会社にはブランドごとに基準となるボディーがあり、そのボディに合わせた原型があります。
ブラウス原型、パンツ原型、ジャケット原型、ワンピース原型など、そこに、そのシーズンごとの流行りのシルエットを入れ込んで洋服を平面で製図をすれば、
ブランドとして統一されたイメージを保つことが出来ます。
アトリエたいようのブラウス原型
ここで大切なことがあります。平面製図を引いて終わりではないということです。
平面で製図を引くといっても、鉛筆と定規で絵を描くように製図をするのではなく、カッターとメンディングテープ、プシュピンを使ってダーツの展開をしたする、切ったり貼ったりする作業をします。
平面上で、ドレーピングをしているのですね。
スカート原型からフレアースカートを作る過程
そして、平面で作ったパターンをシーチングに写してボディに乗せてシルエットの確認をして、手直しをします。
ここで、ドレーピングの作業が入ります。
なので、ドレーピングをする際は、平面での作業を頭に入れながらしますし、平面製図をする際も、ドレーピングの作業をイメージしながら行います。
パターンを作る過程では、どちらも大切な技術となるのです。
ドレーピングとパターンメーキングを上手に組み合わせることにより、デザイナーが求めるシルエットを的確に再現することが可能なのです。
パターンメーカーの仕事は、なんとも奥の深い、やりがいのあるものなのです!!